文字だけのロゴ(ロゴタイプ)のデザイン参考13選
公開 2026-09-26
ロゴタイプは、マークを持たず、名前の文字だけで成り立たせるロゴです。看板、製品の刻印、Web サイトのヘッダーなど、横に長い場所に名前をそのまま置きたいときに選ばれます。社名を覚えてもらう段階の会社や、名前そのものが商品になるサービス、README の先頭に名前を掲げるオープンソースのプロジェクトでもよく使われます。
文字だけなので、フォントを選んで打てば一応の形にはなります。差が出るのは、そこから何を1つ変えるかです。図鑑にはロゴタイプが31件あります。1件につき1つずつ、真似できる作りを抜き出しました。
字の形を変える
打ったままの文字から、1文字か2文字だけ形を変える手です。読める範囲で崩すと、同じ書体を使うほかの名前と見分けがつくようになります。
字の高さを交互に変える
メルカリは7文字すべて大文字ですが、背の高い字と低い字が交互に並びます。大文字の並びならまっすぐそろう上端が、波を打っています。線の太さは全部同じで、字間は広めです。
大文字だけで組むと外形は長方形にまとまりますが、そのぶん似た見た目になりやすくなります。高さを変えるのは上端だけにして、下端はそろえたままにすると、読みやすさを保ったまま輪郭に動きが出ます。字間を空けておくと、高低の差が詰まって見えません。
1文字を左右反転させる
nginx の4文字目は、N を左右反転させた形です。1文字目の N と向きが逆になり、真ん中の小文字の i をはさんで2つの N が向かい合います。G だけは角を斜めに切った六角形の輪郭です。
名前の中に同じ字が2つあるときに使える手です。片方を反転させると、並びに左右の対称が生まれます。反転しても読み方が変わりにくい字(N、S、Z など)を選ぶと、名前が読めなくなる心配が小さくなります。
交わる線を1本だけずらす
Next.js は、X の斜線の片方を途中で途切れさせ、左下の部分を小さな離れた片にしています。もう一方の斜線は1本につながったままです。「.JS」は NEXT の半分以下の高さで、右下にそろえて置かれています。
X や K のように線が交わる字は、交点をずらすだけで印象が変わります。ずらすのは1か所に限り、ほかの字は幾何学的な形のまま整えておくと、崩した部分だけが目に入ります。
1文字を図形に置き換える
サンエックスは、「San-」までをペンで書いたような線で描き、X にあたる部分だけを4枚の葉の形で作っています。しずく形の葉を斜めの十字に合わせて、全体で X に見せています。
置き換える字は、形がはっきりしていて、図形でも読めるものを選びます。X や O、I は置き換えやすい字です。図形の色を文字と変えておくと、右端で単語が締まり、図形の部分だけを切り出してアイコンにも使えます。
色で1か所だけ変える
全体を1色で組み、ごく小さな1か所だけに別の色を入れる手です。色の面積が小さいほど、その1か所に目が集まります。
字の1つを記号にして色を変える
ダスキンは、I の位置に感嘆符を置き、そこだけを赤にしています。ほかの5文字は黒です。感嘆符は字と同じ角度で傾き、高さも大文字にそろえてあるので、字の1つとして読めます。
縦棒1本でできた I や、点を持つ i は、記号に置き換えやすい字です。記号にするだけでは紛れてしまうので、色も一緒に変えます。傾きと高さをほかの字に合わせておけば、名前の読みは崩れません。
横棒だけを切り離して色を変える
スクウェア・エニックスは、2つの E の真ん中の横棒を本体から切り離し、短い赤の四角として浮かせています。黒の中にある赤は、この2か所だけです。どの字も横に広く、丸い部分も角を丸めた長方形に近い形です。
E や F や H の横棒は、切り離しても字として読めます。同じ字が名前の中に2回出るなら、両方に同じ処理をすると、偶然ではなく決まりごとに見えます。
縦棒を色の面に置き換える
キーエンスは、K の縦棒を赤い面にしています。面は右辺が斜めに切られた刃のような形です。K の腕と脚にあたる黒い「<」は、その右に離して置かれています。残りの6文字は黒で、字間を広めに空けています。
頭文字の縦棒を色の面にすると、名前の始まりが強く示されます。面は線より太くなるので、ほかの字を細めにし、字間を空けておくと、赤の面だけが重くなりすぎません。
近い色で1文字だけ変える
セコムは濃い青を基調にして、C だけを青緑にしています。どちらも明るさの近い寒色です。太い字をほとんど隙間なく詰めて並べ、前半の S・E は直線的に、後半の C・O は円の輪にしています。
色を変えるといっても、赤と黒のように強い対比にするとは限りません。明るさの近い色を選ぶと、並びは途切れずに1文字だけが静かに違って見えます。白黒で刷っても差がほぼ消えるので、1色での使い方も崩れません。
字間と太さで性格を出す
字の形も色も変えず、太さと字間の組み合わせだけで印象を作る手です。仕掛けが少ないぶん、組み合わせ方がそのまま性格になります。
太い字を詰めて1つの塊にする
NEC は横に広い太い字を、字間を狭くして並べています。3文字がほぼひとつながりで、横長の帯のように見えます。線の太さは一定ではなく、N の左の縦画は細く、斜めの画と右の縦画は太くなっています。
字の数が少ない名前に向く組み方です。太い字を詰めると、単語というより1つの形として目に入ります。詰めるときは、字と字のあいだが線の太さより狭くならない程度にとどめると、つぶれずに読めます。
中くらいの太さを均等な字間で並べる
バルミューダは、同じ太さの大文字を均等な字間で並べただけです。太さは中くらいで、斜体や高さの変化もありません。B・D・U の曲線は円に近く、黒の1色です。
何も変えないと決めたら、書体の選び方と字間の整え方がすべてになります。字間を少し空けると、大文字だけでも重くならず、静かな印象になります。製品の表面に刷る場合も、1色で反転させやすい組み方です。
2段で太さを変える
日産は上下2段で組んでいます。上の段は細い線で字間を大きく空け、下の段は太い字を小さめに並べています。2段の左右の端はほぼそろっていて、全体が1つの長方形に収まります。
名前と補足の語を重ねるとき、太さを段で変えると役割が分かれます。字数の違う2段は、上の段の字間を広げて幅を合わせます。左右の端がそろうと、2つの段が1つのロゴとしてまとまります。
小文字の上下の出っ張りで輪郭を作る
Django はすべて小文字の太い字で、字間を狭く詰めています。d が上に、j と g が下に長く伸びるので、6文字の輪郭は平らな帯にならず、上と下に凹凸ができます。
小文字には、上や下にはみ出す字があります。名前にそうした字が含まれていれば、小文字で組むだけで輪郭に形が生まれます。詰めて組むと凹凸がひとつながりの形として見え、遠くから輪郭だけでも見分けがつきます。
斜体の横に線を添えて速さを出す
Go は、極端に太い G と O を右に傾け、間をほとんど空けずに並べています。左には長さの違う3本の線があり、どれも端を斜めに切って文字と同じ向きに傾けています。色は青の1色です。
右に傾けた字は、左から右へ読む方向に動いて見えます。そこに後ろへ流れる線を足すと、速さがはっきりします。線の端を字と同じ角度で切り、同じ色で塗ると、線が飾りではなく文字の一部として読めます。
自分のロゴで試す
文字だけのロゴを作るときは、まず名前を1つの書体で打ち、そこから1か所だけ変えてみてください。形を変えるなら1文字、色を変えるなら1か所です。変えるところを増やすより、どこを変えたかがはっきりしているほうが覚えてもらえます。
ほかの作例はロゴタイプの一覧で見比べられます。開発者向けのプロジェクトならオープンソースのロゴも参考になります。名前を入れて型を選べば、ロゴを作るアプリで候補を並べて試せます。