ロゴ図鑑

ロゴの4つの型の違いと選び方 ロゴタイプ・シンボル・マーク+文字・エンブレム

公開 2026-09-25

目次

ロゴを並べて見ていくと、作りは大きく4つに分かれます。

  • ロゴタイプは、社名やサービス名の文字だけでできたもの
  • シンボルマークは、文字を使わず図形だけでできたもの
  • マーク+文字は、シンボルマークとロゴタイプを横や縦に並べたもの
  • エンブレムは、図形や面の中に文字を収めて、ひとかたまりにしたもの

図鑑に集めた企業とブランドのロゴ52件では、ロゴタイプが26件、マーク+文字が18件、エンブレムが6件、シンボルマークが2件でした。半分が文字だけで成り立っていて、図形だけのロゴはごく少数です。ただしこれは企業のロゴの話で、プログラミング言語やフレームワークのロゴでは事情が大きく違います(開発系のロゴを数えた記事)。

型を決めるのは、名前とマークのどちらで覚えてもらうかを決めることです。以下、型ごとに実例を見ていきます。

ロゴタイプは名前をそのまま覚えてもらう

文字だけで作るので、見た人は名前を読みながらロゴを覚えます。マークと名前を結びつける手間がありません。

パナソニックは「Panasonic」の9文字を太い字で詰めて組んでいます。長めの単語でも、字間を詰めると一つひとつの字より単語全体の外形が先に目に入ります。小文字の背を高くとって外形を長方形に近づけているので、製品の銘板のような横長の場所にきれいに収まります。

パナソニックのロゴパナソニックパナソニック ホールディングス株式会社・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

文字だけで個性を出すには、どこか1か所に手を入れます。キーエンスは頭の K の縦棒を赤い面に置き換えました。別にシンボルを用意しなくても、頭文字の位置に目印ができます。

キーエンスのロゴキーエンス株式会社キーエンス・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

メルカリは大文字の高さを交互に変えて、上端を波打たせています。遊ばせるのは高さの1か所だけで、太さと字間はそろえてあります。

メルカリのロゴメルカリ株式会社メルカリ・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

選ぶとき:名前が短いとき、または名前そのものを覚えてほしいとき。新しい名前で、まだマークだけでは誰にも通じないとき。

限界:正方形の小さな枠には入りにくくなります。長い名前ほど、アイコンでは縮めるしかありません。

シンボルマークは形に呼び名が付くまで育てる

文字を持たないので、形だけで誰のものか分かってもらう必要があります。企業とブランドの52件の中でこの型だったのは、三菱と住友の2件だけでした(オープンソースのロゴでは、この型がいちばん多くなります)。

三菱は同じ大きさのひし形3つを、120度ずつ回して並べています。スリーダイヤの名で知られる形です。細部を覚えていなくても「ひし形が3つ」と言葉にでき、描き直すこともできます。

三菱のロゴ三菱三菱グループ・シンボルマークこのロゴの分析を読む →

住友は4本の太い帯を井の字に組み、45度回した形です。こちらも井桁の名で知られています。帯を太く、中央の穴を小さくしているので、線ではなく面のかたまりとして見えます。

住友のロゴ住友住友グループ・シンボルマークこのロゴの分析を読む →

2件に共通するのは、形に呼び名が付いていることです。名前で呼べる形なら、文字がなくても人から人へ伝わります。

選ぶとき:すでに名前が広く知られていて、マークだけで思い出してもらえるとき。国や言語をまたいで使うとき。

限界:始めたばかりのブランドでは、マークを見ても名前にたどり着けません。多くの場合、最初は文字と組んで使うことになります。

マーク+文字は場面に応じて分けて使う

マークと文字を並べておき、横長の場所では両方、正方形の場所ではマークだけ、と使い分けます。

ファミリーマートは緑と青の帯2本をマークにして、右に「FamilyMart」を置いています。文字の色は下の帯と同じ青です。マークの色の1つを文字にも使うと、2つの部品が1つのロゴとしてまとまります。

ファミリーマートのロゴファミリーマート株式会社ファミリーマート・マーク+文字このロゴの分析を読む →

マークを何から作るかで迷ったら、頭文字が手がかりになります。サイバーエージェントは C と A を重ねて1つの塊にしました。長い社名でも、小さな場所では2文字のマークが代わりを務めます。

サイバーエージェントのロゴサイバーエージェント株式会社サイバーエージェント・マーク+文字このロゴの分析を読む →

講談社は正方形の枠の中を線で仕切って K を描き、右の「KODANSHA」の K も同じ角度で組んでいます。マークと文字に共通の特徴を1つ持たせると、離して使ってもどちらか片方から同じ会社だと分かります。

講談社のロゴ講談社株式会社講談社・マーク+文字このロゴの分析を読む →

選ぶとき:アイコンや看板など、置き場所の形がいろいろあるとき。名前はまだ知られていないが、いずれマークだけでも使いたいとき。

気をつけること:マークと文字が別々の部品に見えやすい型です。色・角度・太さのどれか1つをそろえると、並べたときにばらけません。

エンブレムは札として見せる

図形や面の中に文字を収めると、ロゴは読む文字ではなく、ひとつの札として目に入ります。

ニトリはティールの長方形に「ニトリ」と「NITORI」を白で抜いています。札の形は背景を選ばないので、看板、袋、値札と置く場所が変わっても見え方が変わりません。遠くからは色の塊として見つけてもらえます。

ニトリのロゴニトリ株式会社ニトリホールディングス・エンブレムこのロゴの分析を読む →

JCB は縦長の帯3本に1文字ずつ白抜きで入れています。マークと文字を別々に並べるより場所をとらないので、カードの角のような小さな枠にも収まります。

JCBのロゴJCB株式会社ジェーシービー・エンブレムこのロゴの分析を読む →

松坂屋は円と菱形の二重の囲みの中に、筆で書いたような字を1字だけ置いています。円の外形はどの向きから見ても同じなので、のれんや包装紙、印判のように大きさや場所が変わっても輪郭がぶれません。

選ぶとき:店の看板や商品のラベルのように、ロゴを「貼るもの」として使うとき。和文と欧文を併記するなど、文字の要素が多いとき。

限界:中の文字は枠の大きさに縛られます。小さく使うと枠の中の字から先に読めなくなるので、字は太く、少なめにします。

どの型にするかの決め方

判断の材料は3つに絞れます。

見るところ ロゴタイプ シンボルマーク マーク+文字 エンブレム
名前の知られ方 これから覚えてもらう すでに広く知られている これから覚えてもらう どちらでもよい
置き場所の形 横長が多い 正方形が多い 横長と正方形の両方 看板・ラベル・印
名前の長さ 短め 問わない 長くてもよい 短め

迷ったら、まずロゴタイプで名前の組み方を決め、足りない場面が出てきたらマークを足してマーク+文字にする順番が収まりやすいと思います。図形から作り始めると、名前との結びつきを後から作ることになります。

型ごとの実例はロゴタイプ、シンボルマーク、マーク+文字、エンブレムの一覧で見比べられます。

型を決めたら、ロゴを作るアプリで試せます。ブランド名を入れて型を選ぶと、選んだ型ごとに候補が出ます。

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