企業ロゴの文字の組み方を52件で数えた 大文字・小文字・太さ・字間の傾向
公開 2026-09-25
目次
図鑑に集めた企業とブランドのロゴ52件(オープンソースのロゴを加える前、2026年9月25日時点)を、文字をどう組んでいるかで数えました。数えたのは、各事例に付けている記録(型・文字の種類・作り方のタグ)です。
先に数え方を決めておきます。52件のうち、三菱と住友の2件は文字を持たないシンボルマークです。文字の組み方の話なので、以下の割合は文字を含む50件を分母にします。ただし文字の種類(欧文か和文か)だけは52件全体で数えます。
また、タグは目立つ特徴を書き留めたもので、全件に同じ項目を埋めたものではありません。「字間を広くとる」が付いていないロゴは、字間がふつうか、字間が特徴として目立たないものです。合計が50にならない項目があるのはそのためです。
大文字だけで組むロゴが半分
大文字と小文字の使い方で分けると、次のようになりました。
| 組み方 | 件数 | 50件中の割合 |
|---|---|---|
| 大文字だけ | 26件 | 52% |
| 大文字と小文字を混ぜる | 14件 | 28% |
| 小文字だけ | 5件 | 10% |
| 記録なし | 5件 | 10% |
記録なしの5件は、和文だけのロゴ3件(伊藤園・松坂屋・三井)と、日本郵政、サンエックスです。
大文字だけのロゴが半分を占めています。バルミューダの「BALMUDA」は、同じ太さの大文字を均等な字間で並べただけで、斜体や高さの変化のような仕掛けを持ちません。大文字は上端と下端が一直線にそろうので、仕掛けがなくても外形が横長の長方形にまとまります。
小文字だけで組んだのは、サイボウズ、キッコーマン、pixiv、Sansan、ワコムの5件です。pixiv は小文字5文字で、大文字より背が低く横に流れる形になります。高さの限られた場所で文字を大きめに置きやすい組み方です。
組み方は型と結びついている
大文字・小文字の使い方を型と掛け合わせると、はっきりした偏りが出ました。
大文字だけの26件のうち、17件(65%)がロゴタイプです。反対に、大文字と小文字を混ぜる14件では、8件(57%)がマーク+文字でした。
ロゴタイプの側から見ても同じで、ロゴタイプ26件のうち大文字だけが17件、混ぜるのが5件、小文字だけが3件です。マーク+文字18件では、大文字だけが6件、混ぜるのが8件、小文字だけが2件でした。
文字だけで成り立たせるときは大文字で外形をそろえ、マークがあるときは文字の側を柔らかくする、という分担が見えます。ファミリーマートの「FamilyMart」は、F と M だけを大文字にして、2つの単語を空白なしでつないでいます。大文字が単語の区切りを示し、小文字が並びに凹凸を作ります。
太い字は6割、細い字は1割
線の太さの記録は、太い字が31件(62%)、細い字が5件(10%)でした。日産は2段組みの上の段を細く、下の段を太く組んでいて、両方に数えています。どちらの記録もないものが15件(30%)です。
ロゴタイプに限ると、26件中19件(73%)が太い字でした。文字だけで存在感を出すには、まず太さを使うことが多いようです。
細い字の5件は、コインチェック、第一三共、講談社、ソフトバンク、日産です。このうち日産を除く4件がマーク+文字でした。コインチェックは明るいグラデーションをマークにだけ使い、文字は細く広い字間で組んでいます。マークに色と動きを集めて、文字は控える。細い字はその組み合わせの中で選ばれています。
字間を詰めたロゴは6件すべてがロゴタイプ
字間の記録は、広くとるが10件(20%)、詰めるが6件(12%)でした。
詰める6件は、ルミネ、NEC、オムロン、パナソニック、セコム、タイミーで、6件すべてがロゴタイプです。さらにルミネを除く5件は太い字でした。太い字を詰めて組むと、文字の列がひとつの塊として見えます。NEC の3文字は、横に広く太い字を狭い字間で並べて、「一語」ではなく「ひとつの形」として目に入るようにしています。
一方、広くとる10件のうち8件は大文字だけのロゴでした。太い字の記録があるのは MIXI、日産、TSUTAYA の3件だけで、残りの7件には太い字の記録がありません。大文字だけで詰めて組むと重くなりやすいので、字間を空けて軽さを出す、という使い方が多くなっています。
まとめると、詰めるなら太い字で塊にし、空けるなら大文字だけの重さを軽くする、という組み合わせが多数派です。
斜体・セリフ体・丸い字はそれぞれ1割台
字形の性格に関わる記録は、斜体が8件(16%)、丸みのある字が7件(14%)、セリフ体が6件(12%)、手書きの線が4件(8%)でした。
斜体の8件のうち6件は太い字です。デンソーの「DENSO」は、右に傾けた太い大文字を赤1色で組んでいます。横書きは左から右へ読むので、右へ傾けた字は読む方向に動いて見えます。太さを保つと、軽く流れすぎずに重さのある勢いになります。
欧文が8割、和文を含むロゴは型が限られる
文字の種類は52件全体で数えました。
| 文字の種類 | 件数 | 52件中の割合 |
|---|---|---|
| 欧文だけ | 42件 | 81% |
| 欧文と和文 | 5件 | 10% |
| 和文だけ | 3件 | 6% |
| 文字なし | 2件 | 4% |
割合は四捨五入しているため、合計は100%になりません。
集めたのは日本の会社のロゴですが、欧文だけのロゴが8割を占めました。
和文を含む8件(和文だけと、欧文と和文)を型で分けると、マーク+文字が4件、エンブレムが4件で、ロゴタイプは1件もありませんでした。反対に、ロゴタイプ26件はすべて欧文だけです。
和文は、マークと組むか、枠や面の中に収める形で使われていました。ニトリは長方形の中に「ニトリ」と「NITORI」を2段で白く抜き、主役のカタカナを大きく、欧文を小さくして幅をそろえています。とらやは「虎」の1字を弧で囲んでマークにし、社名は欧文で組んでいます。
8件の中に、和文だけを横一列に組んで文字だけで成り立たせたロゴはありませんでした。和文はマークや囲みと一緒に使い、欧文と併記するときは段や位置を分けて置かれています。
数えてわかったこと
- 文字を含む50件のうち、大文字だけが26件(52%)、混ぜるのが14件(28%)、小文字だけが5件(10%)
- 大文字だけはロゴタイプに、混ぜるのはマーク+文字に多い
- 太い字は31件(62%)、ロゴタイプに限ると73%
- 字間を詰めた6件はすべてロゴタイプで、うち5件が太い字
- 和文を含む8件はすべてマーク+文字かエンブレム
実例はロゴタイプやエンブレムの一覧で見比べられます。組み方の方向が決まったら、ロゴを作るアプリでブランド名を入れて型を選び、候補を並べて試せます。