ロゴ図鑑

ロゴの色は何色にするか 1色・2色の塗り分け・1文字だけ色を変える

公開 2026-09-25

目次

ロゴの色を考えるとき、最初に決めるのは色相よりも色の数です。何色を使うかは好みで選べますが、何色で塗るかによって、ロゴをどこにどう置けるかが変わります。

図鑑に集めた企業とブランドのロゴ52件を見ると、主な色が1色のロゴが27件、2色が19件、3色が6件でした。半分ほどが1色で、4色以上のものはありません。主な色の筆頭に来るのは黒が20件、青が14件、赤が7件で、この3色で全体の8割近くを占めています。

色の手は、大きく4つに分かれます。

1色で塗る

いちばん多い選び方です。色で区別をつけられないぶん、形だけで見分けてもらう作りになります。

バルミューダは「BALMUDA」を黒1色で組んでいます。黒1色なら、白い本体には黒で、黒い本体には白で、と製品側に合わせて反転できます。製品に直接刷るロゴでは、1色で成り立つことがそのまま強みになります。

バルミューダのロゴバルミューダバルミューダ株式会社・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

NEC は紫みを帯びた濃い青の1色です。字は太く横に広く、色が1色なので、看板から製品の小さな刻印まで同じ形のまま使えます。黒に近い暗さがありながら、青であることははっきり分かる色です。

NECのロゴNEC日本電気株式会社・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

選ぶとき:印刷や刻印、刺繍など、色数に制約のある場所で使うとき。形そのものに特徴があるとき。

色の決め方:黒に近い暗い色にするか、はっきりした色にするか。黒や紺は何にでもなじみ、赤や青は遠くからでも目に入ります。

2色で役割を分ける

2色を使うなら、色ごとに役割を割り当てます。どこに何色を塗るかが決まっていると、2色でも散らかりません。

とらやは、赤をマークにだけ、黒を文字にだけ使っています。色の境目と部品の境目が一致しているので、2つの要素がそれぞれの持ち場を保ったまま1つのロゴとして並びます。

とらやのロゴとらや株式会社虎屋・マーク+文字このロゴの分析を読む →

ファミリーマートは逆に、2色をまたがせています。マークは緑と青の帯2本で、文字は下の帯と同じ青です。マークの色を文字にも使うと、2つの部品が色でつながります。

ファミリーマートのロゴファミリーマート株式会社ファミリーマート・マーク+文字このロゴの分析を読む →

カプコンは、字の本体を黄色、縁取りを青にしています。明るい色の字を暗い色で縁取ると、白地でも黒地でも写真の上でも輪郭が保たれます。背景が一定でない場所に置くロゴでは、2色目が読みやすさを支える役目を持ちます。

カプコンのロゴカプコン株式会社カプコン・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

選ぶとき:マークと文字を分けて見せたいとき。背景を選ばずに置きたいとき。

気をつけること:2色を同じくらいの面積で使うと、どちらが主役か分からなくなります。面積に差をつけるか、形の区切りに沿って塗るかのどちらかにします。

1文字だけ色を変える

文字列を1色でそろえ、1か所だけ別の色にします。52件では富士フイルム、セコム、ダスキンの3件がこの手でした。

富士フイルムは「FUJIFILM」を黒で組み、4文字目の I の上の部分だけを赤にしています。赤の面積は小さくても、黒が多いぶん強く見えます。1文字の、さらにその一部だけを変えているので、強調が行き過ぎず、文字列全体も読めたままです。

富士フイルムのロゴ富士フイルム富士フイルム株式会社・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

セコムは濃い青の中で、C だけを青緑にしています。基調色と同じ寒色にとどめているので、語が2つに割れて見えず、一語のまとまりを保ったまま目印だけが足されています。

セコムのロゴセコムセコム株式会社・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

ダスキンは I を赤い感嘆符に置き換え、その1か所だけを赤くしています。形の置き換えと色の変更を同じ場所に重ねると、目がまずそこに向かいます。

選ぶとき:ロゴタイプに目印を1つ足したいとき。マークを別に作らずに済ませたいとき。

色の差の決め方:強く目立たせたいなら黒と赤のように離れた色、まとまりを優先するなら同じ系統の近い色。どちらにしても、変える場所は1か所に絞ります。

色を文字から外に出す

文字に色を付けず、色を別の図形に任せる手もあります。

MIXI は「MIXI」を黒で組み、下に赤とオレンジの帯を2本並べています。文字に色を付けると読みやすさと目立ちやすさがぶつかりますが、色を別の図形に分ければ、文字ははっきり読め、色は色として目に入ります。

MIXIのロゴMIXI株式会社MIXI・ロゴタイプこのロゴの分析を読む →

3色以上にするなら、色以外をそろえる

3色を使っているのは52件中6件でした。JCB は青・赤・緑の帯3本に文字を白で抜いています。帯の形と大きさ、角の丸め方、グラデーションの向きをすべてそろえ、変えるのは色だけにしています。

JCBのロゴJCB株式会社ジェーシービー・エンブレムこのロゴの分析を読む →

色を増やすほど、形の側は条件をそろえる必要が出てきます。色も形もばらばらだと、ただ散らかって見えます。

色数の決め方

迷ったら、まず1色で組んでみて、形だけで見分けられるかを確かめます。見分けられるなら、そのまま1色で十分です。足りなければ、1文字だけ変えるか、マークと文字で色を分けるか、を試します。

状況 向いている手
刻印・刺繍・1色刷りが多い 1色
マークと文字を別々に使う 2色で役割を分ける
ロゴタイプだけで目印がほしい 1文字だけ色を変える
文字の読みやすさを優先したい 色を文字の外に出す

どの手でも、多色にした版とは別に、1色だけで成り立つ版を用意しておくと使い道が広がります。色ごとの実例は黒や青などの色別の一覧で見比べられます。

ロゴを作るアプリでは、メインの色を選んで候補を作れます。まず1色を決めて出してみると、形だけでどこまで見分けられるかが確かめられます。

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